目にも美しく

左斜めからみる障子

障子の次は、ふすまについてです。

そもそも、かつては衝立や屏風など、部屋を仕切ったりするものを総合して障子と呼んでいました。ふすまもその内のひとつです。
しかし、現在で言われているふすまと呼ばれているものが誕生した約100年後、細い組子に紙を貼り付ける障子が開発され、明かりを通す障子だけが障子という名称を持って行き、ふすまなどと差別化されたと言われています。

ふすまは木がベースとなっていますが、主役はその表面に貼り付けられた和紙です。障子とは違い、明かりは透過しません。
もとは間仕切りでしたが、のちに扉としての役割も兼ねるようになり、大和絵や水墨画などを和紙に描くことによって芸術品としての価値も高くなっていきました。現在、ふすまを導入しているほとんどの家庭ではやらないことでしょうが、表面の和紙を取り替えて季節感を出す、なんていうこともできます。
表面の和紙の他にも、木の縁や引手(取っ手の部分)にも趣向を凝らすことができます。
たとえば、色もそうですが、引手の形だけでも代表的な丸形以外に、四角形、楕円形、菱型、などいろいろなものがあります。

ふすまは、開き方にも種類があります。
最も多いものは、「引き違い」でしょうか。二枚立てで片方だけ開くパターン(窓ガラスのようなイメージです)と、四枚立てで溝が二枚分だけのものがメジャーです。
その他だと、「引き分け」があります。こちらは二枚立てで溝は一枚分で、二枚のふすまがそれぞれ横のスペースに収まります。一本引きは引き分けの一枚バージョンで、部屋の入口の扉に多く使われているでしょう。

次は、畳についてです。

日本独自の床材

外から見る 障子

障子、ふすまと衝立が続きましたが、次は床材の畳です。

畳について、多くの説明は要りませんね。日本の気候風土が生んだ、日本人の足によく馴染む床材です。中国から伝わったもの、という勘違いもあるようですが、畳は正真正銘日本で生まれたものです。
その歴史は障子やふすまよりも古く、奈良時代にまで遡ります。聖武天皇が使用したとされる「御床畳(ごしょうのたたみ)」が正倉院に収められており、これが現存する最古の畳です。
しかし、これだけ古いにも関わらず、畳の普及にはかなりの時間を要しました。庶民も畳を使うようになったのは誕生から千年も経った江戸時代中期ですし、農村の家屋にも使われるようになったのはなんと明治時代のことです。
イグサを細かく組み合わせて作る畳、かつては高級品だったのかもしれません。

というわけで、現在よく使われている畳は、イグサのみで作られた高級なものではありません。コストダウンのため、そして新しい建築様式に対応するためなどの理由で、フォームポリスチレンなどの材料の周りにイグサを巻く、といったものになってきています。

畳にはイグサが使われますが、これにより得られるメリットを紹介していきます。
まず、イグサには高い吸湿性能があり、これは木炭に匹敵すると言われています。湿気の多い夏は部屋中の湿気をぐんぐん吸い込み、乾燥する冬は水分を放出し、室内の湿度を調整してくれます。なので、ジメジメした気候の日本において最適なのですね。畳のさらっとした足触りはとても気持ちがいいものです。
また、二酸化炭素の浄化能力も高いことが分かっています。その威力は環境標準の二倍の二酸化炭素を三時間そこらで処理してしまうほどです。